かにみそにっき

作家。美術書などを中心に、本・絵本・映画についてのメモ。

読んだ(美術関連)

智恵子抄

智恵子抄 彫刻家であり詩人の高村光太郎が綴った詩集です。 父親は彫刻家として有名な高村光雲(「老猿」という猿の彫刻が有名)。 国語教科書的には、「僕の前に道はない」の「道程」が有名な光太郎*1 ですがこの智恵子抄は妻・智恵子と結婚する前から彼女が…

やがてこころの底ふかく沈んで 「考えの整頓」の感想。

NHKEテレのピタゴラスイッチや、2355,0655でおなじみの クリエイターの佐藤雅彦さん。(2355って何?という方は今すぐ検索!) この本は、彼が暮しの手帖で連載している「考えの整頓」というコーナーが 書籍化されたものです。(2014年4月現在も連載は続いて…

天風浪々 絵と書の対話 を読みました。

天風浪々―絵と書の対話 書家の榊莫山と、画家の元永定正の対談本です。 両人とも近年亡くなられております。 榊莫山の方は、僕はあまり詳しくないのですが 元永定正の方は大がいくつついてもおじけづかないほど好きな作家です。 (もこもこもこ、などの絵本…

創造する人達への愛の鞭 ブルーノ・ムナーリ 芸術家とデザイナー

ブルーノ・ムナーリは多彩な顔を持った作家です。 画家、グラフィックデザイナー、絵本作家、芸術家、詩人etc...... 後期未来派の1人、なんて説明されても、 「派?は?」 てな感じでしょうが、 “暗い夜に”,“霧の中のサーカス” などといった絵本作品は 知っ…

月刊美術手帖を読む 〜vol62 2010年 12月〜

特集 コンセプトを知る、楽しむ、買う!最新デザイン・キーワード100 OPビジュアルに田部美華子さんを挟んでの 各コンセプトごとに最新デザインを紹介。 割と手頃な価格で手にとれる少数生産ものから、 社会に幅広く浸透しているものまで、幅広く、 そ…

月刊美術手帖を読む 〜vol62 2010年 7月〜

特集は奈良美智 いつでも旅の途中 セラミックワークに挑戦した奈良さんに対するロングインタビュー。 奈良美智―ナイーブワンダーワールド (別冊トップランナー) という10年前に出た本を持っているのですが、 今回のインタビューは、その時より言いたいことが…

月刊美術手帖を読む 〜vol62 2010年 4月〜

特集はディック・ブルーナの謎 ミッフィー(うさこちゃん)の産みの親、ディック・ブルーナ。 彼の愛らしい作品は絵本という分野だけでは語りきれない魅力があります。 ブルーナという人間を紐解いていく事により、様々な謎が解明されていきます。 絵本を描…

月刊美術手帖を読む 〜vol62 2010年 3月〜

美術手帖 2010年 03月号 [雑誌]posted at 2011.1.18美術出版社Amazon.co.jp で詳細を見る 特集は森村泰昌 20世紀へのポートレイト 歴史上の偉人達になりきる、何者かへのレクイエムシリーズが2010年に完結。 彼のコメントと共に、作品を通して20世紀を振り返…

月刊美術手帖を読む 〜vol.62 2010年 2月〜

今年もしばらくは美術手帖を読むのが続きそうです。。。 美術手帖 2010年 02月号 [雑誌] 特集は現代アーティスト・ファイル1980−2010年 世界の巨匠44人に加え、チャプターごとにおよそ100人のアーティストを 取りあげたボリュームたっぷりのファイル…

月刊美術手帖を読む 〜vol62 2010年 1月〜

美術手帖 2010年 01月号 [雑誌] 特集は日本イラストレーション史4つのパートと11人のイラストレーターのインタビューで60年の歴史を紐解きます。 イラストレーションの歴史には詳しくなかったのですが、興味はあったので、楽しめました。 しかし、60年の歴…

月刊美術手帖を読む 〜vol61 2009年 12月〜

美術手帖 2009年 12月号 [雑誌] 月刊美術手帖を読む 〜vol61 2009年 12月〜 特集はコムデギャルソン常にファッションの最先端を行く、ギャルソンに迫る!ぶっ飛んだファッション、支店ごとに雰囲気がガラッと違うショップ、 DMへの異常なまでのこだわり…… 行…

月刊美術手帖を読む 〜vol61 2009年 11月〜

これから定期的に美術手帖を読み、ザックリその感想を含めて まとめようと思っています。 古い号から順々に読むので、最新号の情報を知りたい方には全く意味がないですが 過去の号を漁る参考にはなるかと思います。 美術手帖 2009年 11月号 [雑誌]美術出版社…

美術検定公式テキスト 西洋・日本美術史の基本

美術検定公式テキストを読みました。 ※美術検定の詳しい内容はこちら 検定を受けるかどうかはあまり考えないで読んでみたのですが、内容が非常にスッキリしていて 美術史入門としての読み物として、普通に楽しめます。 文中の全ての作品の写真紹介がなかった…

絵を描きたい人の為の内面的な技法書。絵画の制作―自己発見の旅

こんなに痒いところに手が届く技法書は始めてでした。 技法書って言うと、道具の扱い方や絵具の上手な表現方法などを思い浮かべますが、 この本は、より作家的視点からもっとマニアックな、でも作家なら誰もが経験する “あるある”についてつっこまれた、いわ…

快読・現代の美術―絵画から都市へを読みました。

なんとなく手にとったのですが、とても楽しく読めました。 本書は、『絵画から都市へ』とサブタイトルにあるように 絵画から始まり、写真、映像、ダンス、彫刻、デザイン、工芸、素材、建築、そして都市と いう流れで20世紀以降の美術史を紐解いていきます。…

日本美術界の実態 私の視点を読みました。

長年、日本の美術界に携わってきたある彫刻家の“裏の日本美術史”です。 パラパラとめくると、怒りがこみ上げてくるような汚い世界が見えてきます。 日本の公募美術団体の、地位や勲章確保の為の政治家並、いやそれ以上の 金銭ばらまき、それに悩み葛藤する画…

泥棒美術学校を読みました。

泥棒美術学校を読みました。 続編として2年前に出たプロ美術家になる!という本を受験時代に買い、非常に影響を受けたので 久々に読み返そうと思い立ったのですが、どうせなら前巻にも手を出してみようと思いこちらから読んでみました。 時代を逆行する形で…

アーティスト症候群を読みました。

現アーティストではなく、五年前までアーティストだったという立場からの アーティストを名乗りたがる人々を様々な視点から考察している本です。 芸大を卒業し、二十年もアートに携わってきたという経歴を持つ著者。加えて “女性”からの視点というのがとても…