日本美術界の実態 私の視点を読みました。
長年、日本の美術界に携わってきたある彫刻家の“裏の日本美術史”です。
パラパラとめくると、怒りがこみ上げてくるような汚い世界が見えてきます。
日本の公募美術団体の、地位や勲章確保の為の政治家並、いやそれ以上の
金銭ばらまき、それに悩み葛藤する画家の相次ぐ自殺。
絵に関心を持たない画廊の作品に対する不当な扱い。
美術館の異常価格での作品購入。
本当に汚い世界だと思いましたが、最近は著名な作家が排出されていない現状もあり公募団体に
固執する作家も少なく、むしろ無所属から次々と作家が生まれているので
公募団体の縮小傾向という悪循環から抜けるのは難しいかと思います。
日本美術への反発というより、限界を感じて日本から世界へ逃亡していると言えるでしょう。
この辺り、どうも美術界以外にも結び付けられそうな問題な気がします。
余談ですが、本書の中で平山郁夫の異常な持ち上げられっぷりが指摘されています。
僕は平山郁夫の「ぶれないこころ」という本を読みましたが、中身は至極真っ当で
ためになる事が色々書いてありました。しかしそれでも今なお彼の絵に
これといって惹かれないのが不思議でしょうがないです。
あと数十年後、果たして彼の絵が美術史にどのように位置づけられるかが楽しみです。
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