かにみそにっき

作家。美術書などを中心に、本・絵本・映画についてのメモ。

月刊美術手帖を読む 〜vol62 2010年 4月〜

美術手帖 2010年 04月号 [雑誌]
特集はディック・ブルーナの謎


ミッフィー(うさこちゃん)の産みの親、ディック・ブルーナ
彼の愛らしい作品は絵本という分野だけでは語りきれない魅力があります。
ブルーナという人間を紐解いていく事により、様々な謎が解明されていきます。
絵本を描く以前の装丁デザイン時代のセンスの良さ。それも元をたどると
マチス、レジェ、ピカソといった当時のモダンアートの強い影響があってのこと。
世界中で愛される絵本作家の根底には絵画芸術のエッセンスがあったと知って
なんだか不思議な気持ちになりました。当時はそれが当たり前だったのかもしれませんが、
今のデザイナーや絵本作家もそうなのでしょうか?



その他気になったもの



・小説 手帖から発見された手記 円城塔
唐突に載っている小説。結構長い。サブカル臭の強い
デザイン共に実験的な読み物。

・Go Artists Go! Vol.43
フェルトで作品をつくる渡辺泰子さん。
映像作品はちょっとみてみたいです。
今更気がついたのですが、このコーナーは武蔵野美術大学提供の
ムサビ専属コーナーなんですね。


・アートの地殻変動 Vol.12 佐藤卓
にほんごであそぼ、おいしい牛乳のデザインでお馴染みのデザイナー。

クリエイティブという名のもとに、すでに準備してあったものを
覆い被せようとすることこそが、創造力の落とし穴です。

なんだか考えさせられる一言。


・総評
半年分読んできて、自分にとって興味の持てる記事がなんとなくわかってきました。
ミッフィーに対する関心が180℃変わったという意味では、この号はとても良かったです。
これからは特集でピンときた号を取り上げていこうと思います。