かにみそにっき

作家。美術書などを中心に、本・絵本・映画についてのメモ。

読んだ(小説)

智恵子抄

智恵子抄 彫刻家であり詩人の高村光太郎が綴った詩集です。 父親は彫刻家として有名な高村光雲(「老猿」という猿の彫刻が有名)。 国語教科書的には、「僕の前に道はない」の「道程」が有名な光太郎*1 ですがこの智恵子抄は妻・智恵子と結婚する前から彼女が…

献灯史

多和田 葉子の本を初めて読みました。 表題作『献灯史』は、年相応の衰えを持ちながらも老人世代が現役で活躍し その曾孫に当たる若い世代は虚弱で老い先の短いディストピアが舞台。 世界中が鎖国し、日本では外来語が次々と禁止され昔(=読者にとっての現 …

幼年期の終わりを読みました

アーサー・C・クラークの傑作SF、幼年期の終わりを読みました。 光文社新訳文庫は長年読まれてきた名作を今の時代に読みやすく翻訳したものなので、 非常に抵抗なく楽しく読めました。 〜あらすじ〜 ある日突如として地球の上空に現れた大きな宇宙船。そこに…

鼻、動かしてますか? 香水-ある人殺しの物語-

香水 ある人殺しの物語 を読みました。 世にも珍しい“臭(匂)い“をテーマにした小説です。 主人公は天才的な嗅覚を持った、人間です。彼は何千何万という、匂いを 嗅ぎ分け、それを頭の中にストックして物や人を完全に記憶することができるのです。 しかし…

高丘親王航海記を読みました。

僕は同じ本を何度も読む癖がありません。最初に出会ったときの “衝撃”“感動”は大抵、もう一度読み返すと薄れていてがっかりする事があるからです。 そんな僕がいずれまた読み返したい(読み返しても感動は薄れないだろう)と思い 手元に取っておいた数少ない…