かにみそにっき

作家。美術書などを中心に、本・絵本・映画についてのメモ。

褒め上げ映画批評 ニューシネマパラダイス

ニュー・シネマ・パラダイス [Blu-ray]

ある夜、男の元へ母親から一本の電話が来る。
「アルフレッドが死んだ」
男はベッドで少年時代を回顧する……

イタリア南部の田舎町。少年トトは、映画好きの元気な少年。
父親を失った彼にとって、パラダイス座の映画技師アルフレッドが
友人であり、父親であり、師であった。
映写室に入り浸り、アルフレッドから技術も教えて貰ったトト。
しかしある日、悲劇は起こってしまう……

この映画には2つの要素があります。
観客が居てこその、映画。そこを含めての“映画賛歌”がまず1つ。
いきいきと描かれたパラダイス座に集まる観客達は本当に
映画が持つパワーを感じさせてくれます。



もう1つは、映画愛を飛び越えた様々な“愛”の描写。
それは押し付けがましくなく、映画のいたるところに散りばめられています。
この“愛”こそが、人々の心を掴んで離さないこの作品の真のテーマだと思います。



そしてこの映画を語る上で避けられないのが、音楽。
エンリオ・モリコーネのBGMは、映画史上に残る傑作です。
この音楽無しには、この作品は成り立たなかったと言っても過言ではありません。



一人の少年の少年時代から現代までを観ていると、
観終わった後に壮大な年月の重みを感じます。
本作には、劇場公開版と尺が伸びた完全版がありますが、
まずはテンポの良い劇場公開版をオススメします。



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同監督、同音楽担当の最新作。
こちらも壮大な年月を感じられます。