かにみそにっき

作家。美術書などを中心に、本・絵本・映画についてのメモ。

腹立たしい駄作ではなく、勿体無い凡作 映画RED 感想

今年は劇場でたくさん観ますよ。ということで、
BECK以来の公開後すぐの鑑賞。
ちなみに予告編とか一切みないで観に行きました。
タイトルにもありますが、勿体無い凡作というのが正直な感想です。
若干ネタバレを含みますのでご注意を。
(ストレートすぎるものは反転してごらん下さい)

あらすじ
引退して年金暮らしをしていた元CIAの凄腕エージェントのフランク(ブルース・ウィルス)。
彼はある日、何者かに命を狙われる。真相を確かめるため、かつての仲間を集め
伝説のチームを再結成する


・期待高まる序盤
ブルース・ウィルスモーガン・フリーマンジョン・マルコヴィッチ
キャストからして派手なアクションを期待するべきではないのは
よくわかります。じゃあ何を期待するかっていったら
もちろん年老いたことを自虐的に扱った馬鹿っぽさです。


しかし冒頭の電話シーンから始まる自宅襲撃シーン、
そしてカーチェイスに続くまでの流れは、ゴリゴリのアクションでもなく
老いが足を引っ張る自虐的なアクションでもなく、
スタイリッシュに、スピーディーにこなす
フランス辺りのシャレたアクション映画」で驚きました。
(パッと似た映画が思い出せないのだけれど……)


そこは悪くないです。いやむしろ嬉しいサプライズです。
アクションパートはクールにきめて、捜査パートはいろんな町を訪れて……
まるでゲームみたい!が、しかし……




・結局馬鹿なのクールなの?
そんな感じで、襲われる原因を調べながら過去の仲間達と再開していきます。
特に目玉はジョン・マルコヴィッチのイカレたキャラクター。
ショッキングピンクのブタを抱えて移動する姿はなかなか。
そんな彼を仲間にしたら、早速敵の襲撃を受けます。
またまた知的にやらかしてくれるのかと思いきや……
なぜかここでおバカ映画的演出。あれ?
その演出自体は実に馬鹿馬鹿しくてアリだと思うのですが、
今までクールにやってきていたから、結局そっちなの?、とこの辺りから
妙な不安がよぎりました。
そしてその不安は……




・シリアス、黒幕、そっちへいくの?
そんなこんなでかつての仲間達が集結します。
全員集合まで、妙に時間かかったなーと思いつつも、
ここからどんな事をやってくれるんだ?
と期待が高まるなか、物語は急にシリアス展開へ。
仲間が連れ去られたり、殺されたり(!!)
この流れは(午後のロードショー的に)よくある
名もなき(思い出せない)
アクション映画たちにありがちな、終盤展開。

不安が的中してしまいました。

以下、反転ネタバレ
特にモーガン・フリーマンがあっさり死んでしまい、
「実は生きていてピンチにかけつけるんだろう」と思いながら観ていたのですが、
本当に“しっかりと”死んでしまい
かといって死んだ意味もなく、目に見える活躍もせず
(今まで出演した映画のイメージ的に)「惜しい人をなくした」感に
さいなまれるという誰も得しない展開になってしまいました。

そして最後には意外な(……)黒幕まで登場。いやいや
そういうドキドキを期待してこの映画を観にきていませんって。




・まとめ
あー、見事に軸がぶれたなって感じだったのですが、
観終わった後に、youtubeで初めて予告編を視聴し、
元々馬鹿っぽさより、シャレたアクション的につくられていて
僕の期待の仕方がずれていたのは否めません。
そういう意味では序盤の流れは悪くなかったと言えます。
それでも、後半にシリアスに持っていってしまい、
シャレた部分が薄まってしまったのは確かです。
テンポは悪くなく、所どころに面白いものが詰まっているので
次の作品では面白いほうに転んだものを作ってほしいものです。




Red